2023/08/01
理想の家づくり その9(勝手口)
こんにちは。
愛知・岐阜で注文住宅とリフォームを行う工務店【丸共建設株式会社】の広報スタッフです。
いつも丸共建設のコラムを読んでいただきありがとうございます。
今回は勝手口についてのお話です。
勝手口とは、玄関とは別に付けられた入り口のことで、ほとんどの場合外から台所に通じるようになっています。
表玄関はお客様の出入りに使われるのに対して、勝手口は主に買い物してきた食料を搬入したり、ごみ出しや洗濯ものを干したり取り入れたりと、家事が楽になるような便利な出入り口として使われます。
近所の人や子どもの出入り口にもなっている場合もあります。
勝手口には、内土間・内靴脱ぎと言われているものと、外土間・外靴脱ぎといわれているものがあります。
こちらは内土間の勝手口のある、とあるお宅の間取りです。
外にも屋根のある外部土間があります。
洗濯機・井戸・シンクなどがあり、雨の日は洗濯物も干すことができます。
庭仕事の後や子供たちが外遊びの後には勝手口から洗面所や浴室に直接行くことができます。
こちらは外土間の勝手口のある、とあるお宅の間取りです。
駐車場から勝手口用の門を開けて通路を数歩歩くと勝手口です。このお宅は、勝手口の門から台所に入るまで高低差があり通路の幅も狭く使いづらかったようです。
また勝手口のドアを開けると、室内が丸見えなのも気になります。
勝手口の外に大型のゴミ箱を置き、収集日までのゴミの保管のために使用しているそうです。
勝手口はいるのか、いらないのか…
なぜ、勝手口がいるのかいらないのか悩むのでしょう?
日本人には「靴を脱ぐ!!」という習慣がある、というのが原因の一つではないかと思うのですが、皆様いかがでしょうか…
家を出たとたんに「あっ忘れた!」、「窓閉めたっけ?」などと戻ってきて、靴を脱いで上がる動作に「イラッ」とした経験ありませんか。
私はほとんど毎日これをしてしまいます💦
子供のころですが、忘れ物を取りに戻り横着にも土足のままそっと上がってみたりして、運悪く母に目撃され「コラっ!」と怒られる、みたいなこともありました。
工夫して歩いたのですが…
ちなみにこんな風に…
日本人は靴を脱いで家にあがります。
そのために勝手口について考えるとき、「靴の脱ぎ履き」は思っているよりも面倒で重要事項であると考えてしまいます。
勝手口から室内に入る場合、脱いだ履物はそのまま外に置きっぱなしにしますか?
置きっぱなしにできない場合、玄関から入りなおしますか?
脱いだ履物を玄関に持っていきますか?
そんな面倒なこと毎日はできませんよね。
せっかくある勝手口が使われなくなる原因の一つに、この「靴の脱ぎ履き」が関係していると考えます。
「うちは玄関から台所まで距離があるので勝手口がないと困る。」
という理由で勝手口をつくりたいという人もいますが、私の場合はその距離をスーパーの荷物を持って歩くストレスより、靴の脱ぎ履きに不便な方がストレスを感じます。
次に勝手口のメリット・デメリットをまとめてみます。
メリット
・採光性と通風性の良いドアが採用されることが多いので、光を取り入れることができて明るく、換気の面では通風を確保してくれる。
・火事などの緊急時に勝手口が避難する経路になる。
・家族以外の来客に気付かれず家を出入りできる。
・生ごみ・分別ごみなどを外に仮置きできる。
・ゴミ捨ての際は玄関を通ることなく外にゴミを持ち出すことができる。
デメリット
・扉が増えるので費用がかかる。
・勝手口のドアは玄関に比べて作りが簡単で鍵の構造もシンプルな事が多く防犯面では弱点になりやすい。
・夏は暑く冬は冷える。勝手口のドアは費用を抑えがちなので室内の熱が奪われやすい。
・勝手口の網戸にホコリや虫がたまり掃除がとても大変。
・勝手口の前は物が置けないし出入りのためのスペースが必要となる。
・勝手口の場所や設置方法によっては、出入りがしにくい。
勝手口のメリット・デメリットはいろいろありますが、勝手口を付けることで生活しやすく家事がラクになるならば、付ける価値はあると思います。
勝手口のドアは、採光や換気面だけでなく防犯や掃除のしやすさなど考慮するのがベストです!
ゴミ出しだけのための勝手口?
勝手口を作りたい人には、生ゴミを室内に置くのは嫌。
だからゴミ出しの日までに一定期間溜めておくため、勝手口から生ゴミを外のゴミ箱に出したいという発想があります。
勝手口が外土間で小さめの庇が付いているだけのお住まいをよく見かけます。
ですが、もしゴミを外に出すためだけの勝手口ならばもったいないと思ってしまいます。
また、室内から出る際に勝手口に履物があると便利だと思うのですが、このような外土間の勝手口では置きっぱなしにすることができませんよね。
置いておくと汚れますし、いざ出ようと思ったらベチャベチャになっていることもあります。
(雨が降らなくても夜露とかもあります。)
さらに屋根のない場所での外置きのゴミ箱は、紫外線で色褪せや痛みも早いです。
ただし外土間であっても、
広さがある。
屋根があって下駄箱も置くことができる。
駐車場を含めてゴミ捨て場のある道路側にスムーズに行ける。
このようなアプローチが取ることができる場合ならば、快適な勝手口として使うことができると思います。
勝手口までのアプローチは重要!
近所のスーパーに行くのに、ちょっとの距離でも車で行くことが多いと思います。
買い物から帰ってきたら、重い荷物を持って台所にできるだけスムーズに荷物を置くことができればかなり便利です!
そのためには駐車場からできるだけダイレクトに入れる勝手口があれば便利です。
ドアの開けやすさも重要です。
ですがカーポートのある駐車場であっても、勝手口までのアプローチに屋根がなくて通路が狭い、そもそも勝手口から道路までのルートが遠い場合は、使わなくなっていくのではないでしょうか。
その通路にエアコンの室外機や最近ではエコキュートなんかの大きい機械があったり、タイヤとか何か物を置いたりして通りにくくなると、間違いなく通らなくなります。
そこで結論です!
勝手口を付ける余裕があるのならば、付けると便利だと思います。
もし外土間か内土間かを選べるのならば、内土間の方が便利だと思います。
また勝手口をつけるならば次のような+αの条件も満たした勝手口が私の理想形です。
① 駐車場や庭、物干し場から近く出入りしやすい場所である。
② 外にある程度の広さがあって、屋根のあるスペースがある。
③ ドアは出入り・開閉のしやすいもの、防犯・断熱性能に優れているものを使用する。
④ 台所(パントリー)はもちろん、洗面所や洗濯室やトイレへのアクセスがよいこと。
⑤ 靴の置き場がある。
上記のような勝手口なら、
子供が外遊びで泥まみれになった時や雨に濡れてぐしょぐしょの時など、玄関を汚さずに勝手口から洗面・浴室にうまく入れて助かりますよね。
食料品の買い物が多い時も助かります。
勝手口を付ける余裕がない場合や、勝手口を付けたときのメリットが少ない、活用するかどうか迷う人はつけなくていいと思います。
中途半端に作ってしまった勝手口だと、メンテナンスが大変でお荷物なただの「大きな窓」になる事間違いなしです。
勝手口に求めるメリットを間取りの工夫で補う方が絶対にいいと思います。
勝手口を活用しやすい間取り・建物配置というものがあり、生活スタイルにもよります。
勝手口は台所にドアをつければいいわけではありません。
家づくりの後悔でも「なくてもよかった」ものの上位に入る勝手口。
ご自身のライフフタイル、生活の価値観をしっかり振り返って、必要かどうか判断してくださいね。
それでは、また次回!