2024/04/01
理想の家づくり その12 春ですね🌸(換気と気密と断熱と花粉 ②)
愛知・岐阜で注文住宅とリフォームを行う工務店【丸共建設株式会社】の広報スタッフです。
いつも丸共建設のコラムを読んでいただきありがとうございます。
ヒノキ🍃と黄砂🤧が私を苦しめる今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
前回は花粉症の私が換気について考え始めたところから、家中の空気を効率的に・満遍なく入れ替えを行うためには気密性能が重要だということに気づいたところまでお伝えしました。
今回はその続きです✨
※毎度のことですが、こちらのコラムは私の極めて個人的な見解を元にあれこれお伝えしています。
切り離して考えることはできない換気と気密性
給気口から空気を取り入れて効率よく計画的に換気させるためには、住宅の隙間が少ない、つまり気密性能が良くなければなりません。
気密性がとれている家とは?
※気密測定の様子
窓枠や壁などと、外部との隙間が少ない住宅のことです。
気密性能が高まると室内が密閉された空間のようになり、息苦しくなるのでは…?というイメージを持つ方もいます。
私もそうでした。
24時間換気システムが必須な昨今は、気密性能が高まると計画換気が効率よく行われ、常に新鮮な空気が家中の室内を満遍なく流れるようになります。
言い換えますと、気密性能の取れている状態では自然換気のみに頼っていると換気が不足してしまい、汚れた空気が充満してしまうので健康に暮らすことはできません。
そのため、計画換気が必須になるのです。
現在、国が定めている高気密住宅の基準はありませんが、気密性能を数値で表現するのであれば隙間相当面積のC値1.0㎠/㎡以下にする事が必要と言われています。
C値とは、家全体の隙間の総量を数値で表現したものです。
C値はゼロに近いほど隙間の総量が少ないことを示すため、C値が低い=気密性能が高いということになります。
ところでC値が1.0㎠/㎡の場合でも、給気口から取り込める空気は50%程度、残りの50%は隙間から侵入します。
換気性能を高めることに加え、今後の2030年に向けZEH基準UA値(断熱性能を示す。低いほど断熱性能が高い。)0.60以下の断熱性能にするのであればC値はできるかぎりゼロに近くしたいものです。
※UA値の地域区分
そこで、ちょうどいい塩梅の気密性能(C値)はいくつなのでしょうか?
一般的には、C値1.0㎠/㎡以下が「高気密住宅」とされていますので、それをもう少し下回る「C値:0.7〜0.5㎠/㎡」を目指すといいのでは?と言われています。
C値は低ければ低いほど気密性が良いわけですが、その分コストもかかります。
地域区分で「5地域・6地域(愛知県)」ではC値=0.5㎠/㎡程度で気密性能は十分担保されます。
気密住宅(木造)の施工に慣れている会社であれば現実的に達成できる水準です。
(複雑な形状の建物や3階建ての場合は、数値が悪くなる傾向があります)
でも高気密といわれる住宅の水準(C値=1.0㎠/㎡)で十分なら、なぜC値=1.0㎠/㎡ではなく0.5㎠/㎡を目指すべきと言われるのでしょうか?
これは気密性能が経年劣化するからです。
特に窓まわりでは開け閉めすることで少しずつ隙間が出てきます。
サッシのパッキンの劣化、地震、木材に含まれた水分が徐々に排出されて乾燥収縮を繰り返し、小さな隙間ができる場合もあります。
適材を適所に用いて適施工がなされている、つまりしっかりと施工された物件の気密性能は、20年位でC値が0.4㎠/㎡変化したという事例があります。
実は20年でたった0.4㎠/㎡の変化は、すごい事なんです。
適材、つまり専用の気密部材(気密パッキン・気密テープ・気密シートなど)を使用して、適切な場所に適切な施工がなされていれば、この程度でおさまります。
専用の気密部材ではない養生テープやビニールシートなどで処理されていると、一時的によいC値が出たとしても経年によってどんどん劣化して、数年後には数値が大幅に落ちてしまうでしょう。
さらにC値=0.2~0.1㎠/㎡を目指してもコストがかかる割に劇的に快適になるわけでもないので、経年変化により性能が落ちても1.0㎠/㎡以下を維持できるよう、目安としてC値=0.7㎠/㎡以下(できれば0.5㎠/㎡)が現実的に目指す値と考えられているのです。
ここまで、換気性能をよくするためには気密性能がとれていなければならないこと、そして気密性能とはどういうものなのか分かってきました。
これから建築されるお住まいが効率的な換気で快適さを維持し、さらに花粉も入り込まないようにするにはどうすればいいか、まだまだ勉強が必要なようです!
長くなってきたので今回はここまでにします。
また次回続きをお伝えしますね!
それでは✋