2019/04/06
長期優良住宅
次世代に住み継がれる家を残す。
ここ数年、日本で問題となっているもののひとつが「廃棄物」です。資源の無い日本では、古来より外国から多くの資源を輸入し、様々なものを作ってきました。しかし、作ったものがすべて使い続けられているとは限らずその多くが時代とともにゴミとなっています。
そして、日本は狭い島国のため、そのゴミをどこに処分するのかが常に問題となっているのです。住宅も人が住まなくなれば、廃棄物として扱われます。最近では、1世代だけが住み、次世代では建て替えるということが行われてきました。そして、その度に、家の廃棄物が生まれていたのです。
そのため、これからは、できるだけ住宅を長期にわたり住めるようにし、廃棄物の排出の抑制、環境への負荷の低減、建て替えに伴う国民負担の軽減することでより豊かな暮らしへの転換を図ることが求められています。
そこで生まれたのが、長期優良住宅という、長く住み続けることができることを可能とした新しい基準の住まいです。また、この長期優良住宅は、家を建てる際に長期優良住宅としての申請をすることで、国や県からの支援が受けれることができるようになっています。
長期優良住宅7つの条件
1.耐震性能(地震に強い安心の家)
大規模な地震に対して、倒壊しにくい、損害が少なくて済む一定の耐震性が必要です。
次の1〜3いずれかの措置が必要となります。
1.耐震等級2以上とする(性能表示壁量、壁の配置、床倍率、接合部、横架材、基礎)
2.大規模地震時の地上部分の各階の安全限界変形の高さに対する割合をそれぞれ1/40以下とする
3.免震建築物とする
2.省エネルギー性能(地球にも家計にも優しい家)
断熱性能など、一定の省エネ性能が確保されている必要があります。
地球にやさしく、また家計にやさしい省エネ住宅が条件です。
省エネ法に規定する省エネルギー基準(次世代省エネルギー基準)に適合すること。
①省エネルギー対策等級4
イ)性能規定(Q値、μ値、結露対策)
ロ)仕様規定(U値)
3.維持管理・更新の容易制(メンテナンスしやすい家)
耐用年数の比較的短い内装や設備は、メンテナンスやリフォームがしやすい家にしなければなりません。
・構造躯体等に影響を与えることなく、配管の維持管理を行うことができること
・更新時の工事が軽減される措置が講じられていること
4.耐久性能(躯体のしっかりした長く住める家)
何世代にもわたって住み継がれる家は、構造や骨組みをしっかり作り、耐久性能を持たせる必要があります。
劣化対策等級3相当に加えて、
・床下及び小屋裏の点検口を設置
・床下空間に330mm以上の有効高さを確保
が必要となります。
5.住戸面積(暮らしやすい広さを確保した家)
暮らしやすい住まいにするために必要な最低限の広さが決められています。
75㎡以上(2人世帯の一般型誘導居住面積水準)
※少なくとも1階の床面積が40㎡以上
※地域の実情に応じて引上げ、引下げを可能とする。ただし、55㎡を下限とする。
6.居住環境(地域のまちなみに配慮した家)
各地域のまちなみに調和するように配慮した住まいであることが求められます。
7.維持保全(住まいの履歴書がついた家)
建築時から将来を見据えて、定期的な点検・補修等に関する計画が策定されていること。
維持保全計画に記載すべき項目については、
1.構造耐力上主要な部分
2.水の浸入を防止する部分
3.給水・排水の設備
について、点検の時期・内容を定めること。
少なくとも10年ごとに点検を実施すること。
地震時及び台風時に臨時点検を実施すること。
長期優良住宅建築における住宅ローン減税について
最大控除額は約500万円。
平成21年度税制改正においては、過去最大規模の住宅ローン減税が実現されました。
そのうち長期優良住宅については、最大控除額は約500万円に達します。
一般住宅の場合
居住年 | 控除期間 | 住宅借入金等の 年末残高の限度額 |
控除率 | 最大控除額 |
---|---|---|---|---|
2014年4月〜 2017年12月 |
10年間 | 4,000万円 | 1.0% | 400万円 |
長期優良住宅の場合
居住年 | 控除期間 | 住宅借入金等の 年末残高の限度額 |
控除率 | 最大控除額 |
---|---|---|---|---|
2014年4月〜 2017年12月 |
10年間 | 5,000万円 | 1.0% | 500万円 |
※丸共建設では、長期優良住宅についての施工も行っております。お気軽にお問い合わせください。