変動金利のリスクを回避する方法(その1)
投稿者:丸共建設
住宅ローンを選ぶ際に、多くの方が迷うのが、「固定金利」と「変動金利」
のどちらを選択するか、という点ではないでしょうか。
調査によると、2017年度ごろから、住宅ローンの変動金利を選ぶ人の割合が増加しており、
調査結果では全体の56.5%と過半数以上が変動金利を選択しているという事です。
このように変動金利の人気が高まっている背景には、変動金利の設定金利が、
固定金利と比較すると低いことさらに、変動金利の金利水準を決める
「短期プライムレート」が、過去20年にわたって1%台と低い数値で
推移していることなどが挙げられます。
低金利で住宅購入のための資金を借り入れでき、過去の実績から考えると、
金利の大きな上昇が予測しにくいということもあり、
今改めて変動金利が大きな注目を集めているのです。
ただし、住宅ローンの変動金利には注意点もあります。
実際に「変動」と名がついているように、変動金利は半年に一回、
金利の見直しが行われるのです。
この時点で、基準となる短期プライムレートが上昇していると、
返済額の増加や返済期間の延長などが起こり、
家計がダメージを受けることにもなりかねません。
変動金利を選ぶ場合には、このような金利変動のリスクをどのように回避するか、
ということが重要になってきます。
そこで今回は、住宅ローンの変動金利のリスクを回避する方法をお伝えします。
金利の低い変動金利を選びたいが、金利上昇のリスクもしっかり回避したいという方は、
是非、参考にして下さい。
変動金利を選ぶ際、もっとも気になるのが今後の変動金利の値動きです。
この変動金利が連動する「短期プライムレート」とは、金融機関が顧客向けに貸し出す
一年以内の最優遇金利(プライムレート)のことで、日銀が決定する
「政策金利」の影響を受けます。
つまり、短期プライムレートは、実質的には日銀の管理下にあり、
国の金融政策を反映するものと言えるでしょう。
この短期プライムレートの数値は、1995年9月以降、1%台の低水準で推移しており、
日銀の金融政策に大幅な変更がない限り、急激な上昇は起こりにくいと考えられています。
ただし、金利動向の正確な予測は、経済のプロであっても、ほぼ不可能です。
今後、物価の上昇などを理由に政策金利の引き上げが起これば、
変動金利が上昇する事態も十分に考えられます。
そのため、変動金利を選ぶ際には、金利が上昇した場合のシナリオを
ある程度想定しておくことが欠かせません。
たとえば、金利が1%上昇した場合に住宅ローンの総返済額がいくらアップするのか、
それは家計をどの程度圧迫するのか、あるいは、2%や、3%の上昇ではどうか、
などをシミュレーションし、家計の状況を考えた時、何パーセントまでの金利上昇に
耐えられるかを事前に調べておくと良いでしょう。
ちなみに、変動金利の金利上昇時の返済額については、
各金融機関の住宅ローンシミュレーションなどを活用して簡単に調べることができます。
金利の上昇に耐えられるようであれば、変動金利を積極的に検討しよう
変動金利の金利上昇シナリオをシミュレーションする場合、
どの程度の金利上昇を想定すれば良いか迷う方も多いでしょう。
短期プライムレートの直近の最高値は、1990年から91年にかけての6~8%台です。
現在の経済状況(物価など)を考慮すると、ここまでの急激な上昇は
起こりにくいと言われています。
つまり、シミュレーションする場合、仮に最大で8%の金利上昇でも
家計が返済に耐えられるようであれば、金利の変動を考慮する必要性は、
ほぼゼロに近いと言えます。
現実的に考えるなら、急な金利上昇があったとしても3%程度の金利で
収まる可能性が高いです。
一定の金利上昇の可能性に耐えられる家計であれば、住宅ローンを選ぶ際に、
積極的に変動金利を検討することで、現在の低金利の恩恵を受けることができるでしょう。