住宅ローンをフルローンで借りる場合のデメリット
投稿者:丸共建設
今回は住宅ローンをフルローンで借りる場合のデメリットを
詳しく説明します。
①毎月の返済額が大きくなる
フルローンのもっとも大きなデメリットは、借入額が増加することで
返済額が膨らむ点です。
たとえば、変動金利(全期間引き下げプラン)で3,000万円の住宅購入資金を
35年間借り入れるケースを想定すると、2割の頭金を支払い2,400万円借り入れた
場合の返済額は月61,845円です。
一方、頭金なしで3,000万円を借り入れた場合の返済額は月77,306円となり、
月額で1万5,000円ほどの差が出ます。
諸費用も含めて借り入れた場合や、変動金利よりも金利の高い固定金利を選択した場合は、
さらに返済額の差が広がる点にも注意が必要です。
②借り入れ金利が高くなる場合がある
フルローンのデメリットのもう一つは、自己資金(頭金)の割合によって
金利が変わるケースがある点です。
たとえば、フラット35では、頭金が1割以上の場合と、1割以下の場合でそれぞれ異なる
金利が適用されます。
都銀やネット銀行などの民間の銀行でも、フルローンと頭金ありの場合とでは
金利が変わることがあるため、金利差がどの程度か、返済額への影響がどの程度あるのかを
チェックしておく必要があります。
③借り入れに際し、一定の現金が必要になる場合がある
住宅ローンをフルローンで検討する際、本来であれば、事務手数料や登記費用といった
「諸費用」も借入額に上乗せできれば理想的です。
しかし銀行によっては、このような、完全なフルローンには対応しておらず、
諸費用を別途で支払わなければならない場合があります。
借入時にかかる諸費用は、数十万円から百数十万円程度と、決して小さくないため、
諸費用の金額や、ローンへの上乗せの可否などは、しっかりと確認しておきましょう。
④銀行の住宅ローンの審査が厳しくなることがある
フルローンを検討する際に気になることの1つが、銀行の住宅ローン審査でしょう。
物件に対する融資割合が増えるため、頭金を準備する場合と比較すると、
フルローンにおける銀行の住宅ローン審査は厳しくなる傾向があります。
ただし、住宅ローンの審査では、契約者の年齢・年収・勤続年数・健康状態・
過去の返済遅延情報など、ある程度、審査項目が標準化されており、
条件をクリアしてさえいれば、「フルローンだから」という理由のみで
審査に落ちるケースは多くありません。
もしも、フルローンでの審査がなかなか通りにくい場合は、配偶者との収入合算や
ペアローン、親子でのリレー返済などを利用して、審査のネックとなっている条件
(年収など)をクリアできないか試してみましょう。
⑤ほかの買主と競合した場合に不利になる可能性がある
同じ物件に対して複数の買主が購入の申し込みをするような場合、不動産会社や個人の売主が、
フルローンでの購入希望者よりも、頭金を準備している購入希望者を優先することがあります。
これは販売する側の考え方によることから、つねに「フルローンだと不利になる」
と決まっているわけではありません。
ただし、複数の買い手がつきやすい人気エリアの物件や、競合性の高い物件などを
購入する場合には、フルローンが不利に働くケースもあることを意識しておくと良いでしょう。